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パーパスとは?ビジョン支援会社が事例とあわせて、企業が掲げるパーパスを徹底解説

パーパスとは?ビジョン支援会社が事例とあわせて、企業が掲げるパーパスを徹底解説

企業経営において基盤となる要素の一つに「パーパス」という考え方があります。

ミッションやビジョンは聞いたことがあるけどパーパスについてあまり考えたことがなかったり、パーパスをミッションやビジョンと似たものとして捉えている経営者の方も多いのではないでしょうか。

パーパスは永続的に続く企業を作るためには欠かせないものであり、会社全体や社員個人に大きな原動力をもたらします。

歴史を振り返ってみると、偉大な企業のほとんどが「パーパス」をうまく経営に取り入れていることが分かります。

この記事では、企業経営における「パーパス」とは何か?パーパスが組織に果たす役割や、ミッション・ビジョン・バリューとの関係性、歴史的に偉大な企業のパーパス事例、パーパスの作成方法などを解説します。

パーパスとは?

パーパス(purpose)は、日本語訳だと、目的、目標、狙い、などの意味合いになります。

ただし、企業経営における「パーパス」は、単純に直訳的な範囲の意味に限られません。

企業経営でのパーパスとは、組織が存在する根本的理由・存在理由や意義と意味づけられます。

企業経営におけるパーパスの特徴

企業経営のパーパスには、次の相反する2つの要素が含まれています。

「常に実現に向けて努力する目標であること」

「決して実現されることはない目標であること」

つまりパーパスとは、目指して努力し続ける一方で達成はされず、永続的に変わらず在り続けるものであり、普遍的な価値のある目指すべき場所なのです。

パーパスを活用した企業経営は、目指すべき1番星をイメージすると分かりやすいかもしれません。

スティーブ・ジョブズは、パーパスの永続性について次のように語っています。

私が「もう十分だ」と思うことが未来永劫ない気がしている。この世界にはたくさんの壁があり、生きている間に超えられない壁は常にあるだろう。重要なのは、そこに向かって努力し続けることだ。

パーパスステートメント

企業のパーパスを1〜2文でわかりやすく言語化したものが「パーパスステートメント」です。

企業の存在理由や社会にどう貢献しようとしているかなど、永続的に目指していく目標を、簡潔で明快に伝える「声明文」とも言えるでしょう。

パーパスステートメントには、以下のような例があります。

  • スタンフォード大学「人類の向上につながる知識を生み出し、広めていく」
  • マッキンゼー&カンパニー「主要な企業と政府の更なる成功を支援する」
  • メアリー・ケイ・コスメティック「女性に無限の可能性を与える会社になる」

パーパスと似ている?ミッション、ビジョン、バリューとの違い

会社が企業理念を定めるとき、パーパスだけでなく、ミッション、ビジョン、バリューなどの考え方も用いられます。

特にミッション・ビジョン・バリューの3つは、合わせて「MVV」と呼ばれるように、多くの企業が経営に取り入れている考え方です。

企業経営において、パーパスだけでなくこれらの要素を複合して考えていくことで、より確かな組織の基盤を作ることができます。

「ビジョナリーカンパニー・ZERO」の内容をもとに、ミッション、ビジョン、バリューと、今回のテーマである「パーパス」との違いについて解説します。

ミッション

ミッションとは、「企業として常に求められていること・企業として成すべきこと」を表します。

目指していくパーパスをもとに、大胆で説得力があり、かつ実現可能な目標を、具体的な時間軸で設定することが重要です。

多くの場合においてミッションは、今回のテーマであるパーパスと同じ意味合いで語られます。

ただし、永続的な目標に向けて努力し続けるには、長期的に会社全体で取り組む達成可能な目標を定めるべきであると考えられます。

具体的な時間軸で定められる目標は、ミッションではなく【BHAG】(ビーハグ:Big Hairy Audacious Goal:社運を賭けた大胆な目標)と呼び、10〜25年を目安に達成するべきことを掲げます。

パーパスを一番星と例えるならば、ミッションはパーパスを目指す先にある一つ一つの山岳であると言えるでしょう。一つの山を登り切ったら、次の山が現れる…といった具合に。

ビジョン

ビジョンは、「企業の理想像、目指すべき社会の在り方」を表します。

パーパス・ミッション・コアバリューの3要素から構成され、企業の信条存在理由具体的な時間軸を設定した目標をそれぞれ含んだ、企業の文化や事業に最も深く関わる要素だと言えます。

ビジョン自体は簡潔に明文化されるものではありませんが、パーパス・ミッション・コアバリューを強く結びつけ、企業の指針をより強固なものにするためには欠かせません。

バリュー

バリューとは、「会社の指針となる原則や信条の体系」を表します。コアバリューとも呼ばれます。

事業に対する物事の考え方、やり方、スタイル、価値観や人生観、絶対に守らなければならないこと、社会における役割など。

会社の文化や個性の源であり、ミッションやパーパスの基となる、組織の出発点にある戒律です。

パーパスが組織に必要な理由

次のような理由から、組織にパーパスが欠かせないものだと考えることができます。

組織全体を同じ方向に向けることができる

パーパスという変わることのない一番星があれば、規模の大小に関わらず全体を同じ方向に進めることができます。

企業は事業を通して社会に貢献するために存在していて、パーパスはその方法を具体化して明文化したものです。

そのため、会社全体が同じ目的のもとに行動するためにはパーパスが必要不可欠であると言えるのです。

経営判断に一貫性を持たせられる

パーパスは、単なる金儲けを超え、社会を変えるほどのスケールを備えています。

そのため、目先の利益によって経営判断にブレが生じるようなこともありません。

パーパスのメリット・重要さ・役割

パーパスは、会社全体から社員個人にまで大きく影響し、重要な役割を果たします。

会社の原動力になる

パーパスという常に変わらない目標は、会社を同じ方向に進めるための原動力となります。

今やスポーツとファッションの業界で世界を席巻するナイキには、明文化されたパーパスはありませんでした。

しかし、創業者であるフィル・ナイトの「仕事とスポーツの両方で、競争と勝利のための手段となること」という言葉が社内全体に浸透し、それが強力なパーパスとしてナイキの社員たちの強い原動力となっていたそうです。

社員の生きる目的と同じ役割を果たす

会社のパーパスが社内全体に浸透すれば、会社のメンバー個人の生きる目的と同じ役割を果たします。

優れたパーパスは、経営者だけでなく他の社員個人のパーパスとも調和し、それにより社員たちに仕事のやりがいやモチベーションをもたらすことができるでしょう。

パーパスの事例

よく検索されている有名企業のパーパス

国内外の有名企業が経営に活用しているパーパスをご紹介します。

※企業によっては「ミッション」や「ビジョン」として分類しているケースが多いですが、それが「存在理由」として扱われている場合は同じくパーパスとしてご紹介します。

  • 楽天
    「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」
  • 富士通
    「イノベーションによって社会に信頼をもたらし世界をより持続可能にしていくこと」
  • Amazon
    「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」(to be Earth’s most customer-centric company)
  • Apple
    「地球上で最高の製品をつくり、世界をより良いものにする」
    (to make the best products on earth and to leave the world better than we found it)
    ※Appleは、パーパスをはじめ、ミッションやビジョンを明文化していません。ただし、2020年にAppleが公開した記事の中に、上記のような表現があります。
    参考『Apple commits to be 100 percent carbon neutral for its supply chain and products by 2030』(Apple公式HP)
  • パナソニック
    「物と心が共に豊かな理想の社会を実現する」
  • ソニー
    「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」
  • トヨタ自動
    「可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える」
  • 日産自動車
    「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」

パーパスの作り方

先述のとおり、パーパスとは社会の中での会社の存在理由であり、目指す「一番星」です。そしてパーパスは、ミッションと異なり、永続的に不変なものだと言えます。

そんな会社にとって重要なパーパスは、はたして自分でも簡単に作れるものなのか… 不安に思われるかもしれません。

実際に、会社の製品や顧客に対して触れているだけでは、意味を成さないパーパスになってしまうでしょう。

実は、経営者である自分自身に質問を投げかけることで、簡単に会社のパーパスを明らかにすることができます。

『ビジョナリーカンパニー・ZERO』でも語られている「5つのなぜ」によってパーパスを見つける方法をご紹介します。

①まずは、会社が何のために存在しているのかを考えて、簡潔な文章で表してみましょう。

②続いてその存在理由に対して、「なぜそれが重要なのか」という疑問を投げかけて、それに対する回答を、同じように簡潔な文章で表します。

③その文章に対しても、「なぜそれが重要なのか」を問いかけて、その疑問にも同じように答えます。

④最初に考えた会社の存在理由から、「なぜ」を5回繰り返すことによって、自然とパーパスは見つかります。

最初に考える会社の存在理由は、商品や顧客を起点としても問題ないです。

「なぜ」を5つ繰り返した先のゴールが、あなたの会社のパーパスであると言えます。

パタゴニアから見るパーパスの作り方の例

みなさんもご存じのアウトドアブランド「パタゴニア」は、いま紹介した「5つのなぜ」を用いてパーパスを作った会社です。

パタゴニアは、以下のような流れでパーパスを明らかにしました。

「私たちはアウトドアブランドを作る」

       ↓

「それが私たちの一番得意なことであり、好きなことであるからだ」

       ↓

「得意で好きなことだからこそ、消費者が十分な対価を支払ってくれるような革新的で高品質な製品が作れるからだ」

       ↓

「消費者が十分な対価を支払ってくれれば、持続的に良好な財務を維持できるからだ」

       ↓

「企業として成功しているという信頼感を得るため、そして自分たちが正しいと考える方法で事業を営むためには資金が必要だからだ」

       ↓

私たちが存在する究極の目的は、社会変革のロールモデルとなり、手段になることだ。それを成し遂げる唯一の方法は、産業界からロールモデルと目されるような財務の健全性と十分な成功を手に入れることだ

パーパスはすでに存在している

パーパスは「作る」というよりも「見つける」とイメージする方が適切かもしれません。

というもの、あらゆる会社のパーパスはすでに存在していると言えるからです。

ただし、ほとんどの会社が、すでにあるパーパスを言語化できていないというのが現状なのです。

すでに会社に存在するパーパスを見つけることは、「言葉で表現する」ことと同義だと言えるでしょう。

そのためには、先ほど紹介した「5つのなぜ」の方法を用いて、その後に簡潔で直接的な文章で表すことが重要です。

それにより、会社の中に眠る根源的な目的や存在理由を言葉で明確に表すことができ、社員や部門など会社全体を同じベクトルに方向づけることができるでしょう。

上記のパタゴニアのパーパスを、もっと簡潔にすると「社会変革のロールモデルとなり、手段になること」と表すことができます。

ビジョン支援カンパニー ㈱エレメントのパーパスについて

私たちは、ビジョンの成功と輝きを支援するために存在している

これが弊社エレメントが掲げるパーパスです。

以前ビジョンの基礎解説として書いたこの記事で説明したように、企業のビジョンとは「企業の理想像」「目指すべき社会のあり方」を表します。

そして、エレメントのビジョンは私たちエレメントが価値ありと信じるものに他ありません。

私たちエレメントでは、人や企業が目指す価値あるビジョンとは、人の想いや努力のストーリーが深く込められていると感じています。

私たちは、そうした人の想いや努力のストーリーにこそ本当に価値があると信じています。

エレメントが支援するビジョンとは、私たちが素晴らしいと信じる人たちの想いや努力の結晶なのです。

そんな素晴らしい宝物の為に、人生の多くの時間を捧げること、仕事として成果を追求していくことがエレメントのパーパスです。

以前更新した、エレメントのパーパスを詳細について説明したこちらの【私たちはなぜ働くのか?【エレメントのパーパス】~究極の貢献を目指す~】では、私たちが価値のあるものと信じることへの貢献です。

関わる人々のビジョンの成功と輝きを支援することで、その地域に無くてはならない素晴らしい会社がたくさん生まれるはずです。

世界で活躍するような会社は現在でもいくつも担当させて頂いています。

わたしたちは、素晴らしいビジョンを支援するという、変わることのない普遍的な価値提供を追求し続けます。

今回はパーパスの基本について書きました。

例のごとく…長くなりました…が、パーパスって、すごく奥深くて大切なことなんだ!と感じていただけた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

これからも、多くの企業のパーパスを支援し集客やブランディング貢献できるように学び、努力していきたいと思っています。

「うちにもそろそろパーパスってきちんと言語化しなくちゃな~」とお考えの経営者様や、経営をしっかり考えてみたい!という担当者の方は、【あなヒラ北海道】というマーケティング・マネジメント勉強会を開催していますのでぜひ一緒に学びましょう!

また、自分もパーパスを持って働きたい!パーパスに本気の会社で働きたい!そんな熱い思いがある方はエレメントの求人情報をご確認ください。

私たちエレメントは、『何ができるかよりも、誰と働くか』を重視しています。パーパスに生きようとしている人がいるならどんな形でも素晴らしい成果をあげられると思っています。

すぐに出来る仕事の募集がなくても変化の速い世の中です。いつ、あなたとお互いを必要としあうかはわかりません。パーパスを持って働きたい!と思っている方は、会社に見学や遊びに来てください。無料の講座や交流会でもお話ししたいと思っています。

どうぞ宜しくお願い致します。

今回は、パーパスの基本のお話でした!

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